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2020/02/23 00:00

この投稿では、イヤリングが文化や社会でどのような役割を果たしているのか、そしてイヤリングをする今の若い世代の男性はどう性別という定義の境界線を押し広げているのかなど、男性とイヤリングの関係が長年にわたってどのように変化してきたのかを考察したいと思います。 まずは、イヤリングと男性の歴史を少しかじりつつ、女性にとってのイヤリングとは何かを見ていきましょう。

 

イヤリングといえば女性?

何世紀もの間、イヤリングとは女性特有のものでした。 伝統的に、イヤリングは女性を指し、身に着ける者の優雅さ、上品さを引き出すために着用されています。イヤリングという耳の装飾は女性を神聖で優しい印象にし、美しさと女性らしさを高めます。とはいえ、イヤリングが常に女性だけに着用されているということではありません。

 

私たちは一般的に、ジュエリーと言えば女性を連想しますが、古来の男性は今日よりも多くのジュエリーを着用していました。 男性の美の基準が時代とともに変化するように、宝石やイヤリングのスタンダードも変わります。 過去に男性は、2つの主な理由からイヤリングを着用していました。それは魅力的な見た目にすることと、富や地位を誇示するためです。16世紀後半、王族や裕福な男性が描かれているいくつかの絵画に見られるように、当時男性のイヤリングは非常に流行していました。 ウォルター・ローリーやイギリスのチャールズ王の両耳には、おおきな真珠が描かれています。 有名な詩人、劇作家のウィリアム・シェークスピアでさえ、彼の左耳に金のイヤリングを着けているのが描かれています。 男性でジュエリーをし始めたのはヨーロッパ人だけではありませんでした。 1700年代のペルシャ人とインド人の男性は、巨大な金のフープイヤリングを着用していたことが知られています。 日本先住民のアイヌ人は、1800年代後半に日本政府が違法化するまで耳のピアスをしていました。


出典:en.wikipedia.org

 

LGBTとイヤリング

しかし、過去数百年にわたって、イヤリングは(一部では)女性のアクセサリーとして残り、男性が再びイヤリングを着用し始めたのはつい最近のことです。 1960年代後半、アメリカのヒッピーやゲイのコミュニティの間でピアスの人気が高まりました。 男性は、右側に穴を開けることにより、自分を同性愛者またはLGBTコミュニティの一部として密かに表すことができます。 逆にストレート(LGBTでない)な男性は、左耳にイヤリングを着用できました。 これらの風潮はほとんど主流ではなくなってきていますが、若干文化的な名残があります。

 

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イヤリングの歴史は道徳的、宗教的、政治的、社会的要因からも影響し、単なるファッションの領域を超え、複雑で多面的かもしれません。一般的に言えば、私たちが住んでいるこの複雑な社会において、衣類、髪の長さ、アクセサリー、化粧などは自分自身の立ち位置や性別を定義するツールとして使用されています。特に西洋では、イヤリングは女性またはゲイを意味するという既成概念の中に置かれています。


米国では、より保守的で宗教的な人々の間でも、性別を明確に定義することは非常に重要です。なぜなら、「家族の大黒柱となる強い男性」は高く評価され、さらに社会の繋がりを強く結びつけるのは、より男性らしい男性が率いる家族であると考えられているからです。当然、イヤリングの着用が同性愛者の男性のするものとなれば、それは理想的な男性のもつべき道徳の反対行為とみなされます。これらの保守的な見解の多くは、今日まで続いています。

 

私は1990年代に保守的でよく知られる西部カナダで育ちました。 イヤリングをしているクラスメートがいたら、いじめられたり「ゲイ」と呼ばれたりしていたこともはっきり覚えています。 また、ある男性のクラスメートが父親に、「イヤリングなんかして家に帰ってきたら家から追い出す」と言われた、なんて話も聞いたことがあります。 社会的な性別の位置付け、そして男性が身に着けるものとして認められていたものは、当時明確に区別されていました。

中国、男性ピアスのぼかし

中国のような非常に保守的な共産主義の国では、どのような手段をとってでもこのような巨大な経済を管理し、駆動し続けることは、各々の表現の自由よりも優先されているように思います。それはつまり、中国(その支配者にとって)は明確な性別の定義により、多くの人口を制御する必要があることを意味します。 20191月、中国は女性らしいとは何かをはっきりと示す内容のニュースを発信しました。以来、中国で人気の動画ストリーミングプラットフォームやTVで、イヤリングを身に着けている男性俳優の耳がぼかされています。それが自己検閲であるか、共産党局に提出された後に編集されたのかどうかは不明ですが、中国政府のこの問題に対する立ち位置は明白です。男性有名人の、より「女性らしい」キャラクターの表現が、中国の若者に「負の影響を与える」という効果の賛否について中国国内で議論を醸し出しています。大多数の人はイヤリングのぼかしに対して批判的ですが、「男性は男性らしく在るはずだ」などのコメントをするなど、ぼかし処理に賛成的な人も一部見られます。

出典:www.theguardian.com


世紀の変わり目に生まれた新世代の若いミレニアルによって、20世紀のこれらジェンダーの定義に対する様々な考えが世界中で議論されています。2016年、韓国は男性用化粧品の世界市場の20%を占めました。K-Popスターの間では、スタッド、ドロップピアス、チェーン、リップリングなど複数のピアスをしていることは珍しいことではありません。 伝統的な男性の理想像は、常に文化的、社会的、経済的な力によって再定義されています。 韓国は非常に競争の激しい社会であり、労働時間は最も長い国の一つでもあります。 誰もが一握りしか入れないような大学や企業を狙い競い合うようなこの国で、一部の男性は手段として化粧をすることもあります。 彼らにとってK-Popのflower boys」を見様見真似することは、社会的な成功への指標にもなりました。


一般の日本人男性が耳にスタッドピアスをつけているというのは滅多にないかもしれませんが、国によっては、片方または両方の耳たぶにピアス穴を開けたり、お洒落なスタッドピアスをしているのは珍しいことではありません。

 

出典:studybreaks.com


イヤリングは個性のひとつ

2013年に www.piercing-shops.net に投稿されているブログ、「男性のイヤリング:イヤリングをしている20人のセレブ」という記事には、イヤリングを着用しているアメリカの有名セレブのリストが挙げられています。 この記事では、ファッションの進化傾向において、男性用のイヤリングがどのように利用されるようになったのかを説明しています。 20人それぞれの有名人について、彼らがどんな種類のイヤリングを、どのくらいの頻度で着ているかなども詳細に書かれています。 アメリカのヒップホップ、ラップ、スポーツ等のコミュニティでは、ジュエリー、ダイヤモンド、金がステータスシンボルとして、また成功の記念として長い間着用されてきました。 アッシャーやリュダクリスのような有名な音楽アーティストは、時々両耳にダイヤモンドのスタッドをしています。アメリカ最高のバスケットボール選手、マイケル・ジョーダンは、左耳にシルバーのフープイヤリングを身に着けていました。 


イヤリングの大衆文化への浸透は、次世代の若者にとって標準化していることを意味します。 いつか、男性がイヤリングを身に着けるということがフェミニンであるとか、同性愛者であるということから、「全くクール」なものと捉えられる時が来るかもしれません。 ウィル・スミスやハリソン・フォードのような俳優が中国のような政策によって制限されることはとても想像し難いです。 彼らは自分の思うままに自分を表現するという自由を持っていない限り、彼らとして存在し得ません。フォードのような光る個性がなければ、スターウォーズのような映画もなかったでしょう。ピアス、その他のジュエリー、または化粧等を通して自分自身を表現したいと考える彼らに、個々の表現の自由を与えられてこそ、このような才能を伸ばし活躍できるのだと私は考えます。


出典:decider.com

 

イヤリングは今でもなお女性が個性を表現し、美しさを高め、女性らしさの魅力を引き出すジュエリーとしてさ愛用れていますが、この記事で見てきたように、「男性を男性らしくするもの」の境界線は着実に「女性らしさの領域」を押し広げ始めています。


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